- 完璧主義で作業に時間をかけてしまう
- 先延ばし癖を直したい
- 業務が多すぎて何から手をつけていいかわからない
- ついついサボってしまう
- 家でも集中できる時間を確保したい
「今日もダラダラしてしまった……」「時間をかけているのに作業が進まない」
そんな悩みを持つフリーランスや個人事業主も少なくありません。
タイムボクシングは、時間をあらかじめ区切ることで、集中力を高めてタスクを完了させる仕事術です。
本記事では、タイムブロッキングとの違いや、具体的なやり方、おすすめのツールをご紹介します。
記事を読むことで完璧主義や先延ばしを防ぎ、少しずつでも確実に作業を積み上げられるようになります。
おすすめのタイムトラッキングツール

タイムボクシングとは?

タスクに対して、あらかじめ決められた時間枠を設定するテクニックです。
割り当てた時間内は、そのタスクだけを行います。時間がきたら、たとえ作業が終わっていなくても区切りをつけて次に進みます。
タイムボクシングは、短時間で集中してタスクに取り組みたいときに有効な手法です。
タイムブロッキングとタイムボクシングの違い
| 項目 | タイムブロッキング | タイムボクシング |
|---|---|---|
| 決めるもの | いつやるか | どれくらいやるか |
| 目的 | 作業時間を確保する | 作業に集中する |
| 向いている人 | 予定に追われやすい人 | 完璧主義で作業が長引く人 |
| 例 | 09:00〜11:00:企画書作成 11:00〜12:00:メール返信 | 企画書の構成:40分 企画書の執筆:80分 |
どちらも、時間を割り当てる行為としては同じです。
タイムブロッキングは、1日のスケジュールを俯瞰(ふかん)してデザインしたいときに有効です。複数の案件や予定が詰まっているときに、作業時間を確保するために使われます。
一方で、タイムボクシングはタスクごとに使う時間を決める方法です。ダラダラ作業や完璧主義を防ぎ、短期的に集中しやすいところが特徴です。
- タイムブロッキング:時間を確保するための手法
- タイムボクシング:タスクに時間を設定する手法
タイムブロッキングで大まかな流れをつくり、ボクシングで短期間タスクに集中するといったように組み合わせて行う仕事術です。
タイムボクシングのやり方

では実際に、タイムボクシングの大まかな流れをみていきましょう。
- タスクを洗い出す
- 時間枠を設定する
- タイマーを使って作業する
- 1日の終わりに振り返る
注意点やコツについても紹介するので、参考にしてみてください。
タスクを洗い出す
まずは、取り組むタスクをリストアップします。
「ブログを書く」「資料を作る」のような大きな粒度ではなく、作業を小さく分解することがポイントです。
分解されたタスクは時間を設定しやすく、作業を取り掛かるときに迷いがなくなります。
時間枠を設定する
30分・45分・60分など、区切りやすい単位で、タスクに使う時間の枠(ボックス)を決めます。
バーチカル型のカレンダーや手帳、アプリなどを使って、いつどのくらいの時間でタスクに取り組むかを記入していきます。
タイマーを使って作業する
タイマーをセットして、決めた時間内で作業を開始します。
LINEやSlackなどの通知、メールなどは見ないようにして、タスクだけに集中することが重要です。
時間がきたら、たとえ未完了でも手を止めましょう。
1日の終わりに振り返る
さいごに、実際にかかった時間と進捗を振り返ります。
「予定より進んだか/遅れたか」「ボックスの長さは適切だったか」を確認し、次回の時間配分へ反映させます。
タイムボクシングを実践するツール

ここでは、タイムボクシングを実践する具体的な方法をご紹介します。
使用するツールは、以下の2つがおすすめです。
- Googleカレンダー|時間枠を取る
- Toggl Track|タイムトラッカー
2つのツールは連携が可能で、振り返りや改善に役立ちます。
Googleカレンダー|時間枠を取る
タイムボクシングを始めるには、カレンダーアプリがあると便利です。
Googleカレンダーは、ほかのサービスと連携しやすいのでおすすめ。無料で制限なく使えるため、もっとも手軽な選択肢になります。
- Googleカレンダーを開く
- 週間または、日表示にする
- 作業する時間の枠を設定する
- タスクをいつやるか割り当てる
Toggl Track|タイムトラッカー
Toggl Trackは、時間計測が手軽にできるツールです。
タスクを始めるときにオンにして、終わったら止めるだけ。スマホのアプリやPCから無料で利用できます。
実際にタスクにとりかかった時間が可視化でき、時間の使い方を見直しやすくなります。

カレンダーとタイムトラッカーを連携
GoogleカレンダーとToggl Trackは連携すると、より便利にタイムボクシングに取り組めます。
時間割に合わせて、タイマーをスタートさせたり、計画と実施を比較できるようになります。
- 左:実施(Togglで計測した結果)
- 右:計画(Googleカレンダーで作った計画)

タイムボクシングのメリット

タイムボクシングを使って、タスクを処理するメリットをご紹介します。
- 時間管理スキルが向上する
- シングルタスクに集中できる
- 先延ばし癖を克服するのに役立つ
- 次に何をするかで悩まない
それぞれ、簡単に解説します。
時間管理スキルが向上する
どの作業にどれくらい時間が必要か、あらかじめ意識して仕事に取り組めます。
1日を計画して実際に取り組んでみると、予想以上に時間がかかったり、予定通り進まなかったり。このような、トライアンドエラーを繰り返すことで、工数の見積もりの精度が向上します。
スケジュールを立てて実行する力が身につき、タスクのやり忘れや進捗の滞りを防ぎやすくなります。
シングルタスクに集中できる
枠を設定すると、「時間内で終えたい」という意識が働くため、ほかごとに気を取られにくくなります。
タスクがひとつずつ終わる達成感が得られやすくなり、モチベーションの向上にもつながります。
先延ばし癖を克服するのに役立つ
先延ばしは、「開始の期限」と「終了の期限」がないときに起こりやすいものです。
タイムボクシングでは、タスクに使う時間枠を先に決めるため、いつやるかが明確になります。
自分でタスクに期限を設定すると、パーキンソンの法則(仕事は与えられた時間いっぱいまで膨らむ)に対抗して、作業の引き伸ばしを防ぐ効果もあります。
枠がある → その中でやろうとする
区切りがある → ダラダラ続けない
タスクを放置して、あとから苦しい思いをした……。という状態を未然に防げます。

次に何をするかで悩まない
時間枠とタスクが決まっていると、「次は何をしよう」と考える回数が減ります。
あらかじめタスクと時間がセットになっているため、迷いが生まれにくく手が止まりません。
意思決定や判断には、想像以上にエネルギーを消耗します。時間と気力の無駄を排除して、限られた集中力を作業に回せるようになります。
タイムボクシングの注意点

タイムボクシングを実践するうえで、注意点についても押さえておきましょう。
- 休憩時間を考慮して枠を設定する
- 時間枠を取れるだけ取ろうとしない
- 計画通り完璧を目指さない
無理な計画をして実行できないと、自分で自分を苦しめることにも。
「これから実践しよう」と考えている人は、気合を入れすぎないように、気軽にチャレンジしてみくださいね。
休憩時間を考慮して枠を設定する
タスクとタスクのあいだに、短い休憩を取ることがおすすめです。
休憩時間そのもののブロックも作っておきましょう。作業時間だけでスケジュールを埋めてしまうと、疲労が蓄積され結果的にパフォーマンスが落ちてしまいます。
「25分集中+休憩5分」を繰り返す、ポモドーロテクニックを活用することもおすすめです。

時間枠を取れるだけ取ろうとしない
タイムブロッキングをやってみると、「1日の時間枠をいっぱいに使ってしまいたい」という心理が働きます。
しかし、無理な設計をすると実行段階でつまづきやすく、結果的に自己肯定感が下がってしまいます。
適度なバッファ(余裕)をあらかじめ考慮して、ブロックを設定しましょう。
ギチギチに詰まった予定表は、自分を苦しめることも。はじめのうちは1日のうち1〜2時間だけで実践するのも一つの手です。
計画通り完璧を目指さない
タイムボクシングは、時間を区切ることで生産性を高めるテクニックです。
予定通りに進まなくても、落ち込む必要はありません。重要なのは、時間あたりの作業量を最大化することです。
Toggl Trackなどのツールを使って、進捗を振り返りながら改善していきましょう。
今日から無料でタイムボクシングをやってみよう
タイムボクシングは、タスクに使う時間をあらかじめ決めて取り組むことで、集中力と生産性を高める手法です。
タイムブロッキングと組み合わせると、1日のスケジュールを整えられ、個々の作業を着実に進められるようになります。
- 完璧主義で作業に時間をかけてしまう
- 先延ばし癖を直したい
- 複数の業務を並行して進める必要がある
- 集中できる時間を確保したい
実践するのにお金はかからないので、気になる人は今日から始めてみましょう。まずは短い時間から、少しずつ習慣にしていきましょう。
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